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【ネタバレ】『カエルの楽園』考察 〜国民が国の事を考えなくなった時、国は滅びる〜

この本は、「思考を放棄した国家の運命」を描くことで、国民が真剣に考え、議論しなくてはいけないということを訴え、そういう意味で日本国の本質を鋭く浮き彫りにした書籍とぼくは捉えています。 

カエルの楽園(新潮文庫)

カエルの楽園(新潮文庫)

 

 

 

ストーリーを読み始めると、本書は安全保障を描いた寓話だということにすぐに気付きます。憲法改正や安全保障で、どうするべきだという押し付けとして本書を捉えるのではなく、国民ひとりひとりが国の事を真剣に考えていないことを憂い、それに対する警鐘と捉えるべきです。憲法をはじめとする安全保障体制が今のままでいいのかということに一石を投じた内容になっています。

 

さて、本に出てくる設定を解説します。

 

  • 主人公の2匹のアマガエルは、ナパージュに流れ着いた難民でしょうか。
  • ナパージュ国は日本のことです。napaj と表記したとすると、後ろから読むと、Japanになりますね。そこで暮らすツチガエルは日本人。
  • デイブレイクは朝日新聞のことでしょう。デイブレークは「夜明け」を意味しますし、「日」を「壊す」という著者のインプリケーションも含まれていると思います。
  • ウシガエルは中国
  • ワシのスチームボートはアメリ
  • ハンニバル三兄弟は陸海空の自衛隊
  • ヌマガエルは韓国(並びに北朝鮮
  • 三戒は、日本国憲法の前文(諸国民の公正と信義に信頼して─)と、9条の二項(戦争放棄と、戦力不保持・交戦権否認)
  • 謝りソングは、日本人の戦後の自虐思想でしょう。GHQの政策「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」という占領政策によって、日本人に植え付けられた思想です。そして、メディアや政治家によって、日本人に長く、強く植え付けられています。
  • ガルディアンは憲法9条を盲目的に死守しようとする政治家。9本のシワは9条を含意しているのでしょう。
  • お祭り広場はテレビ。
  • マイクというカエルは、報道番組やワイドショーのコメンテーター。

 

あらすじは、安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトが、豊かで平和な国「ナパージュ」に辿り着くところから始まります。 そこでは心優しいツチガエルたちが、三戒を守って暮らしていました。 ところがある日、ツチガエルがナパージュに侵入、徐々に領土を侵略してきます。そんな事件を目の前にして、デイブレイクや、ガルディアンは盲目的に三戒を崇め、支離滅裂な論理で平和主義を貫きます。ぼくはそれを読みながら、「なんと無茶苦茶なことを言うカエルだろう」と感じましたが、それはぼくたちが日頃、報道番組やワイドショーで見聞きしている内容と同じであることに気付き、 のんきな日本の実態に危機感を覚えるのです。そのナパージュ王国のたどる末路はこの本を読んでいただければと思います。

 

この本が、予言んの書と言われることについて、新潮文庫の解説で、櫻井よしこが下記のようなコメントをしていました。

物語の中に、南の崖をよじ登ってきたウシガエルに不安を抱くツチガエルたちに対し、デイブレイクやガルディアンは実に気味の悪い言葉を吐いています。

 ●「ウシガエルは虫を追っていて、うっかりと南の草むらに入ってきただけかもしれない。あるいは草むらが珍しくて、見学に来ただけかもしれない」 ●「こんなところに我々が集まっていては、緊張を高めるだけです」

 ●「とことん話し合えば、必ず明るい未来が開ける」 

ところが驚いたことに、この本が出された四ヵ月後の二〇一六年六月九日(単行本の刊行は二月)に、中国軍艦が初めて尖閣沖の接続水域に侵入した時、朝日新聞は社説に次のような文章を書きました。 

●「今回の行動に習近平政権の意思がどこまで働いていたのか。(中略)軍艦の行動が意図的なものか、偶発的だったのかも不明だ」

 ●「事実関係がわからないまま不信が募れば、さらなる緊張を招きかねない」

 ●「対話のなかで、お互いの意図を理解し、誤解による危機の拡大を防ぐ」

奇妙なことにデイブレイクたちの言葉とまったく同じです。これは偶然の一致でしょうか。それとも百田さんは、中国軍艦の侵入と朝日新聞の社説を予言していたのでしょうか。

 

改憲が良いか悪いかという議論はここではしませんが、ぼくたちの住む日本は、このような危機に直面してなお政治に無関心です。これからの日本を生きるのは若者なのに、有権者の多くが高齢者というアンバランスさもあります。今の政治の決定の影響を受けるのは将来のぼくたちです。ぼくたちが政治、メディアのあり方についてもっと考えて、もっと口を出していこうよ、そして、安全保障や平和のあり方について考えようよって思います。

 

この物語は、平和、平和と、伝家の宝刀のような美辞麗句が、ぼくたちを取り巻く環境にも通用するのかと、問いかけています。

同じく櫻井よしこの解説からの引用です。

 

ツチガエルたちの中から、自分たちが食べ尽くされ、祖国が消滅するかもしれないというこれ以上ない危機に直面して、絶対平和主義の原則である「三戒」を見直そうという意見が、遂に出てくるのは、自然なことです。  でも、そのとき、強力な反対意見が声高に叫ばれます。絶対平和主義ガエルたちです。彼らは強固かつ頑固に、建前論の美しい言葉を並べたてます。「信じる心」、「平和の尊び」、「争いのない世界」──なんと正しく美しい言葉でしょうか。民衆はこういう美しい言葉に酔うのが大好きです。大半の人たちが美しい漠然とした言葉に酔い痴れているとき、彼らを酔わせているピカピカの建前論に立ち向かうのは、存外難しいものです。

 

繰り返しになりますが、この本を読んでぼくが思ったことは、ぼくを含め、日本国民はもっと政治のことを考えなきゃダメだってこと。思考停止ししてはいけない。他力本願の無責任主義、夢見る平和主義は一旦深く考えてみる必要があると本書は問いかけています。

 

例えばぼくがいつか見たワイドショーで、9条の改定について主婦層がこのような主張をしていました。「子供たちを戦争にいかせるなんて心配だ」。主婦としての想像力が働いているのでしょう。その想像は正しいでしょうか?「本当に想像力を働かせると、もっとひどいことが起こるかもしれない。悠長なことをしていたら、ウシガエルに占領されてあなたの娘が弄ばれるかもしれない。殺戮されるかもしれない」物語の中のハンドレッドのコメントです。ぼくたち日本人はもっと想像を膨らませて、しっかりと考えなければいけないのです。そして議論しましょう。そして投票しましょう。

 

ワイドショーからの情報収集も良いですが、偏っているかもしれませんよ。本をたくさん読んで情報を収集し、人の考えを知りましょう。 

lucas-fernandez.hatenablog.com